強者を批判するな、弱者を褒めろ。大城太「失敗のしようがない華僑の起業ノート」
大城太「失敗のしようがない華僑の起業ノート」を読みました。
- 作者: 大城太
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2015/04/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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華僑のボスに弟子入りした経験を持つ大城さん。
そのボスから教わったことを惜しげもなく披露している本です。
参考になる言葉が多かったので、いくつか紹介します。
「知識=お金、利益」そのもの
どんなビジネスで起業しようかと迷っている方には、「知らないことはやるな」というボスの教えを贈ります。
知識がない=付加価値がない、つまり高く売ることができないからです。
知識がない=付加価値がない。
勉強は大事ですね。
この文章の意図とはズレるんですが、個人的には商品知識の勉強は大事だと改めて感じました。
憧れの自分をイメージして自分で自分を「はめる」
起業してお金を儲けてどうしたいか、どうなりたいか。
細部までイメージすればするほど「その気」になります。
起業に限らず何事かを成しとげるには「やる気」よりも「その気」になるのがベターです。
池田貴将さんも同じことを言ってましたね。
ゴールに対して「魅力」を感じることでモチベーションが大きくなる。 池田貴将「この選択が未来をつくる」 - 幸せになりたいから読書を始めるよ
「やる気」よりも「その気」。
語呂がよくて覚えやすいです。
ニーズではなくメリットから出発する
お客さんのニーズを考えろと言いますが、お客さんの要求を満たしたら必ず売れるか?
違いますね。
なぜならお客さんは自分が欲しいものを本当はわかっていないんだから。
あなたが欲しいのはこれでしょうと、こっちから気づかせてあげないと。
お客さんのニーズを全部汲み取ってたら、値段が高額になって結局売れないと大城さんは説明しています。
お客さんの話を聞きすぎるのはよくないっていう視点は新鮮でした。
人が困っていること=面倒くさいこと
人々が困っていることの大半は、実は"面倒くさいこと"なのです。
やろうと思えば自分でできる。
でも面倒くさいからやりたくなくて困っている。つまり「簡単だけど面倒なこと」を発見して代わりにやってあげればよいのです。
もちろん作業は「作業する人」の役割です。
自分で業者を調べる。
自分で発送や梱包の手配をする。
自分で会社の長所を見つける。
日々忙しくて、こういうことをする時間がない人は増えてると思います。
生きた情報は人が持っている
ある姉妹の旦那さんの話。
姉妹は仲がよいのですが、その旦那同士はなかなか打ち解けず、お互いの仕事の話もしません。
日本では親戚同士で突っ込んだ話はしない傾向にあります。
仕事が違うんだから話しても無駄だし、一から説明するのも面倒くさい。
大城さんはこれではいけないと言ってます。
華僑は真逆で、「自分と違う仕事をしている人こそ貴重な情報源、知らない情報を得るチャンス!」と考えます。
ですから遠慮なく突っ込んで尋ねますし、助けてもらえることがあれば求めた、自分が助けられることがあれば提案します。
姉妹の旦那さん同士が組んでビジネスを始めることも珍しくありません。
人から情報を仕入れるという基本を、我々は忘れているだけなのです。
ネットから離れて人と話す時間を増やすだけで、早く起業できるかもしれませんよ。
この文章は「ネットなんかに真の情報はないから、リアルな人と話をしよう」という意図で書いてます。
もちろんそこには賛成です。
僕がなるほどと思ったのは、「華僑は親戚同士でもビジネスの話をする」というところです。
確かに家族同士でもビジネスの話なんかしません。
それが親戚ともなるとなおさらです。
そのくせ赤の他人とは、人脈がどうたらこうたら、ビジネスがなんたらかんたら。
親戚同士でそういう話をしないのは、確かにもったいないないよなーと思いました。
仕事の話を深堀りするのは、なんとなく遠慮してしまうんですよね。
今度彼女のご両親にお仕事の話をいろいろ聞いてみます。
「上を下げずに下を上げる」
自分の目的を達成するためには、自分より強い者と戦わない。
批判も厳禁。
それよりも、弱い者を立てるほうが賢いとを大城さんは教えてくれてます。
たとえば3社競合になった時。
一方の競合A社は自社より上、大手で商品の質も高く価格も高い。
もう一方の競合B社は自社より下、小規模で商品の質も低く価格も安いとします。日本人はたいていA社しか見ません。
A社に勝とうとしてA社と自社の比較をしますが、その中にA社はこういうカラクリで儲けているだの、A社の製品はここが使いにくいだのと悪口が入ってきます。
上を下げることで自社をよく見せようとするのですね。
華僑流の私はA社は放置で、B社を褒めます。
「お値段で選ばれるならB社さんがいいんじゃないんですか。営業マンの対応も丁寧ですし、顧客サービスにも力を入れているみたいですよ」
など、褒められるところは褒めるという感じです。
するとお客さんは、「うーんB社は安いといってもモノがもうひとつだしデザインもいまいち......、B社を選ぶんなら君のところがいいわ」
と勝手に選んでくれるのです。
そうやってあちこちでB社を褒めていると、自然にB社の耳に入り、そのうちB社はライバルではなく仲間になります。
「じゃあウチと一緒にやる?」という展開も、あり得るのです。
B社を褒める理由を大城さんは次のように説明しています。
A社で買える資金があるところは最終的にA社の商品を買う。
だからほっておけ。
批判なんかしても何も変わらないし敵を作るだけだからやめておけ、と。
昨日の敵は今日の友。
自分以外はすべて敵じゃないんですね。
敵を作らずに味方を増やす。
ビジネスに限らず人間関係においてもすごく大切なことだと思いました。
そんな感じで、華僑の教えに興味をもった方はぜひ読んでみてください。
他にもためになる教えがたくさんありますよ(*^^*)
- 作者: 大城太
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2015/04/28
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