向井邦雄「お客様がずっと通いたくなる極上の接客」
動作の基本は「緩・急・緩」
「動きに緩急をつけなさい」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
そこに、ある特定の規則性を持たせメリハリのある動きにするのが「緩・急・緩」です。
動きはじめと終わりはゆっくりと、そして間の動きは素早くするのです。
例えば、グラスを移動する場合、最初にグラスを持つ時はゆっくり、宙に浮かせたら素早く目的の場所まで動かして、最後に置く時はまたゆっくりと。
これは、自動車でスピードを出す時のアクセルとブレーキの使い方にも似ています。
大切なのは "絞り込む" こと
もちろん集客だけではなく、内装や店内の装飾品、流す音楽、提供するメニュー、メニューのネーミング、話しかけるタイミングや会計のしかたまで、すべてがイメージに合ったお客様がより喜ばれ、常連様になりやすくなるのです。
お客様を絞り込むということは、「お客様の心に留まりやすくなる」ということと、「店側がお客様をイメージしやすくなる」というふたつの大きなメリットがある、ということをわかっていただけたと思います。
それを踏まえたうえで、あなたがすることはひとつです。
「自分が理想とするお客様に喜ばれる接客とは、どんなものかをとことん追求する」こと。
クレームがなくなる!? 灯台下暗しな接客術
私の経営する店はエステサロンですが、開業当初、客単価は5000円ほどでした。
それが今では2万5000円と、約5倍にまで上がっています。
ここはよく勘違いされがちなのですが、決して値上げをしたのではありません。
値上げをするのではなく、より価値の高いメニューや商品、サービスを提供していくことでお客様の使われる金額が変わり、お客様の層が変わっていったのです。
そう、ここが大事です。
商品がよくなり、全体の価格が上がると共に離れていったお客様も多くいました。
一方で、その価格と商品に価値を感じるお客様が集まってくださったのです。
もちろんオープン当初から通ってくださっているお客様は、今もいます。
それらのお客様も、金額ではなく、メニューやサービスに価値を感じてくださった方なのでしょう。
「金持ちけんかせず」という言葉をご存知でしょうか?
私のサロンのオープン当初、設備も技術も接客も最大限の努力をしているのに、クレームをいって来られたお客様は、たいていある偏った層の方でした。
それは、クーポンなどで安いから試しに来られたお客様。
毎回、値段を気にして、少しでも安いメニューを好むお客様。
「なんで私にはこのサービスがつかないのよ」
「あの人のほうがよいものなんじゃないの?」など、他のお客様よりも少しでも得をしたいという思いが、粗探しからクレームへとつながっていったのでしょう。
しかし、少しずつ単価が上がり、安いメニューがなくなった時点で、これらの方は来られなくなりました。
(中略)
そもそも、半額で来る人や返金目当てで来る人は、本来の価値に見合った定価を定価だとは思っていません。
半額=定価、返金(無料)=定価だと思って来店してくるのです。
その店や商品に価値を感じていない人ですから、満足もしない、不満に感じる、クレームを言うという流れになっていくのでしょう。
お客様の生活レベルを知る
大事なのは、あなたの理想とするお客様が、ふだんどのような店に行き、どのような金銭感覚で生活しているのかをしっかりと理解するということです。
よいものには金額を惜しまず、時間もあり、クレームがない。
もし、そういうお客様を理想のお客様だと思うのなら、そのお客様の生活レベルを知り、そのお客様と同じ価値観になり、同じ判断基準で接することが重要なのです。
そのために、なるべく高級な店や文化に触れ、そこでどのような接客やおもてなしがなされているのか、知っておくことが有効でしょう。
(中略)
「よいものには金額を惜しまず、時間もあり、クレームがない」理想のお客様のことをよく「富裕層」などという呼び方をしますが、富裕層のお客様を増やしていくには、内外装設備やメニューの内容、金額だけではなく、ちょっとしたあなたの思考や言葉が大きな影響を及ぼすということを知っておいてください。
1回目と2回目はまったく違う
多くのサロンから私に寄せられる悩みでいちばん多いのが、「集客の悩み」です。
「新規のお客様が来ないので、なかなか売上が上がらない」
「常連の方はリピートしてくださるのですが、顧客の絶対数が少ない」など。
実は私から見たら、これは大きな勘違いです。
「リピーターの方が多いのに集客に困るわけがない」というのが私の考えです。
もちろん新規客を増やすことはできます。
様々な手法を使えば、あっという間に今の倍、いや10倍にすることも可能でしょう。
でも、大事な部分に気づかなければ、いつまでも同じことを繰り返すだけです。
考えてみてください。
少しずつでも新規のお客様が来られているのに全体の客数が増えないということは、それ以上に常連のお客様が離れてしまっているということです。
もしも常連のお客様が離れることなくずっと通い続けてくださっていれば、どんなに新規の数が少なくても全体の客数が減るわけなどないのです。
そこに気がついていないから、いつまでも新規が少ないと悩み続けることになるのです。
(中略)
まずはお客様が離れていかないように全身全霊を傾けることです。
1回目の来店と二度めの来店で、同じように接していたのではそれは実現しません。
はじめての来店よりも、リピートしてくださることのほうが遥かに奇跡です。
それだけの歓びをもって接しましょう。
人は、同じ事を繰り返すとやがて飽きていきます。
2回目、3回目、同じことを繰り返していたのでは、そのうち飽きて他店に移って行ってしまうことでしょう。
「そういえば昔よく通ってくださっていた○⭕様、最近見かけないな……」などということが、よくあるのではないでしょうか。
1度目よりも2回目、2回目よりも3回目、10回目、100回目。
来られれば来られるほど感動するような接客、毎回驚きと感動に満ちた接客を心がけることこそが、ヤカンのお湯を沸騰させ、熱い上級を吹き出すこと=利益を生み出すことにつながるのです。
リピート率9割を超える小さなサロンがしている お客様がずっと通いたくなる「極上の接客」 (DO BOOKS)
- 作者: 向井邦雄
- 出版社/メーカー: 同文館出版
- 発売日: 2013/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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安保徹「疲れない体をつくる免疫力」
仕事の疲れは「仕事中に取る!」が基本
疲れをためないためには、疲れが発生したその時、直後に、こまめに取る習慣をつけられるかどうかが勝負です。
「運動する時間がない」
「スポーツクラブに入ったが、通えなくて退会した」そうした話をよく聞きますが、わざわざ仕事時間とは別に、まとまった時間を取ろうとするから、できないのです。
(中略)
疲れがたまって、体が壊れてからでは、遅いのです。
ONの日こそ疲れをためない生活を、ぜひ習慣にしましょう。
肩と背中のこりがみるみる消える、8の字体操
- 両腕を自然に上げる。肩幅の広さに。
- 両手で床面と平行になるように頭上に大きく「8の字」を描く。
- 上体の力を抜く。
- 上半身をゆっくり、のびのび回す!
- 腕だけを回すのではなく、手先から腰までの一本の軸を意識。
短時間で驚くほど腰がほぐれる! 腰なでなで体操
- 全身の力を抜いて立つ。両膝を軽く曲げる。肩幅よりやや広めに。
- 右足に重心を乗せつつ、右手で太ももをなでるように下ろす。お腹と腰の横が伸びて気持ちがいい。
- 左足に重心を乗せつつ、左手で太ももをなでるように下ろす。肩だけを真横に落とすのがコツ。手は、ひざ近くまではなでおろす。
2と3をリズミカルに繰り返す。
- 作者: 安保徹
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2010/08/20
- メディア: 文庫
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スピッツ「旅の途中」
マサムネの歌は高いキーで、もっと張って歌ったほうが聴き手に届くよ
日本が誇るべき変態バンド、スピッツ。
J-POPの代表として祀り上げられてますが、歌詞の世界観は全くもって健全ではありませんw
それは置いておいて、スピッツが売れるキッカケになったのは、プリンセス・プリンセスやユニコーンなどを手がけたプロデューサー、笹路正徳さんとの出会いです。
この本の魅力は、笹路さんの素晴らしすぎる人柄がわかること、この一点に尽きますね。
笹路さんはバンド全体に厳しい言葉を与える一方で、メンバー個々に接し方を変えてアドバイスをしたり、相談に乗ったりしていました。
また、スピッツの曲を理論と実践の両方から説明し、4人が無意識に好き勝手にやってきたことをきちんと解剖して、分析していました。
例えば、
「新しいアルバム(『Crispy!』のこと)のデモテープを聴かせてもらったけど、メロディアスな曲をやろうとしているみたいだね。だったら、持続音が表現できる楽器があったほうがいい。キーボードやストリング、ホーン。とくにキーボードが必要だね。」
「頭一拍置いて、たとえばキーがCのとき "ミ" で始まる曲、三度で始まる曲が多いね。それをちょっと変えるだけで、曲の印象が変わるよ」
のように。
ボーカルのマサムネにとって、これらは新鮮で納得できることが多かったようです。
マサムネは他にもこんなアドバイスを受けています。
「マサムネはハイ・トーンにいったときの声がいいんだから、それを使わない手はないよ」
その言葉を聞いて、目からウロコが落ちた気分だった。
実のところ、俺(マサムネのことです)はハイ・トーンの自分の声が嫌いだった。
ハイ・トーンは出しやすいことは出しやすくて、スピッツを結成して一年くらいの、ブルーハーツっぽいビートパンクの曲を歌っていた頃には高い音を出して歌っていた。
けれど、ロックはクールにという、いま思えば誤解もいいところの思い込みがあって、その後はわざとキーを低く設定して歌っていた。
とくに笹路さんと出会う直前のアルバム『惑星のかけら』では、当時流行していたグランジ・ミュージックの影響があって、わざと声を低く、ウィスパーっぽく歌おうとしていた。
笹路さんはそんな俺の思い込みを壊してくれた。
「マサムネの歌は高いキーで、もっと張って歌ったほうが聴き手に届くよ」
俺はその頃もまだ、仕方なく歌っているボーカリストなんだ、という意識がどこかにあった。
自分の声が好きではなかったし、自分の声に惹かれて聴いてくれている人なんてほとんどいないとさえ考えていた。
スピッツが売れないのは、俺の声が嫌われてるからじゃないのか、と考えていたくらいだ。
俺は楽曲で勝負しているんだ。
ボーカルは二の次さ。
そう思おうとしていた。
だから、笹路さんに声について言われたときには、嬉しかったというよりもびっくりした方が大きい。
それまでも「声がいいよね」と言われたことはもちろんあるけれど、たいていのボーカリストがそう言われていると思っていた。
俺は褒め言葉を真に受けるほうではないし、人間が疑り深くできているから。
それでも、笹路さんの言うことなら信じてみようか、そう思わせる "笹路マジック" が俺の歌を変えていった。
マサムネの闇の部分が垣間見えますが(笑)、この本を読んでいる僕も笹路マジックの素晴らしさに感銘を受けてしまいます。
褒めるっていうのはいいことだなーって。
俺のアルペジオ
そんで極めつけは、ギターの三輪テツヤに対するアドバイスですね。
俺は自分のギターに自信をなくしていた。
高橋さん(事務所の社長)に「デビューの頃から上達していない」と言われたことが堪えていた。
ギタリストは世の中にたくさんいる。
でもギタリストって何だろう。
そんな疑問が心のどこかに常に引っかかっていた。
(中略)
そんなときに笹路さんが「リズム感がいいよ」と言ってくれた。
自分でもリズム感がいいとは思っていたから、「笹路さん、わかってるなあ。信じちゃおう」と思ったのだ。
俺は褒めたら伸びるタイプだったのかもしれない。
笹路さんはそこまで見抜いて、一流のプロデュース・ワークでそう言ったのかもしれないけど、俺には嬉しい言葉だった。
(中略)
笹路さんと俺は家が近かったので、よくレコーディングの行き帰りにクルマで送ってもらった。
そのときもいろいろな話をした。
笹路さんは俺と話すことで、スピッツというバンドを理解しようとしていたんだろう。
しかし、俺にとっては、笹路さんと話すことで、ギタリストとしての自分を作っていくきっかけを持てたと思っている。
俺がアルペジオに自信を持てるようになったのは、笹路さんと出会ってからだ。
それまでは、アルペジオが嫌いだった。
俺にはそれしかできなかったから。
アレンジでも、思い浮かぶのはアルペジオばかり。
マサムネの作ってくるコード進行にアルペジオを乗せる方法論がぜんぶ一緒で、そんな自分の手癖みたいなものが嫌だった。
でも、笹路さんは俺のアルペジオを個性として認めてくれた。
「普通はみんなアルペジオは嫌がるぞ。テッチャンはアルペジオが本当に好きなんだな。アルペジオの歩いていくような運指ができるギタリストはそんなにいないよ。それがテッチャンの個性なんじゃないか」
笹路さんは俺に、スピッツというバンドのギタリストであることに誇りを持たせてくれた。
そしてさらに、アルペジオの音の粒立ちを揃えたほうがいいといった、アドバイスもしてくれた。
「テッチャンの方法論を別のバンドに使ってみようとしたけれど合わなかった。マサムネのコード進行だから上手くいくんじゃないかな」
その言葉を聞いたとき、スピッツというバンドの中に自分の居場所を見つけた気がした。
バンドのギタリストとして成長したい。
本気でそう思うようになった。
笹路さんの言葉がイケメンすぎるんですけど……
笹路さんとの出会いを通じて、スピッツは「空も飛べるはず」「ロビンソン」「チェリー」など数々の大ヒットを飛ばしていくのです。
褒めるっていうのはこういうことかというのがわかる1冊です。
- 作者: スピッツ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/11/30
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高城剛「カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?」
カジノとIR、ふたつの道
IRの真髄は、税金を使わずに街のランドマークをつくることだ。
あくまでもカジノは、巨額投資をしてもらう企業への担保に過ぎない。
そして、そのカジノの顧客は、成熟した都市であるならば、自国民であってはならない。
これが、すべてである。
ラスベガスを賭場から家族向けのアトラクションの街へと変えたのが、スティーブ・ウィン。
一方でラスベガスをビジネス・コンベンションの街へと導き、IR(統合型リゾート)というコンセプトを展開したのが、ジェルドン・アデルソンです。
そもそもカジノ=IRだと僕は思っていましたが、IRというのは複合施設のことで、その中の1つにカジノがあるというイメージなんですね。
ジェルドン・アデルソンは、ラスベガスをビジネス・コンベンションが中心となる街へとつくり変えることを考えていた。
勢いがある産業に従事したり、勢いがある会社で働いているビジネスマンたちは、総じて金回りもそれなりで、会社からの経費も潤沢だ。
そのような「ニューリッチ」を「カジノ」とは関係なく集めることができれば、結果として「カジノ」も含め、街ごとすべてうまくいくだろうと、アデルソンはCOMDEXの大成功の経験から理解していた。
1988年、アデルソンらラスベガスの「サンズ・ホテル・アンド・カジノ」を買収し、翌年に「サンズ・ホテル」を開業。
さらに1年後となる1990年には大型見本市(コンベンション)を開催できる「サンズ・エキスポ&コンベンションセンター」を設立し、MICE(Meeting「会議・セミナー」、Incentive tour「報奨・研修旅行」、Convention「大会・学会・国際会議」、Exhibition「展示会、見本市」の頭文字をとった用語)施設によって集客する複合リゾートの実現に向かったのだ。
いわゆる観光コンベンションというのがIRのイメージで、カジノそのものが目的ではなく、仕事やイベントのついでにカジノへ来てもらうという発想なんですね。
この辺の詳しいことや海外の事例についてはぜひ本書を読んでもらいたいのですが、高城さんは今ある施設や街並みを有効活用することが必要だと述べています。
廃墟を最大限に生かしたアレンタウン・ベツレヘムのIR
注目すべきは、いまだかつてない斬新さだ。
一般にIRといえば、シンガポールのマリーナベイ・サンズのようなカジノを含んだ近代的な施設をイメージするだろう。
最新建築の高層ビル群とエンターテインメント施設が並び、そこには数億円から数十億円規模の莫大な投資がされている。
しかし、「サンズ・ベツレヘム」が陣取る跡地は、まったく違っていた。
本書扉の写真はその外観だが、窓ガラスが割れ、朽ちかかった工場跡を、まるで最近発掘された遺跡のように保存し、その一角にホテルとカジノを開業したのである。
この街の4分の1程度は工業地帯であり、サンズがやって来るまではすべて荒涼とした廃墟のままだった。
こうした巨大工場の廃墟を古代ギリシャの神殿のような歴史的遺産と捉え、廃墟の周辺に歩行者用ゾーンを設置し、完全に観光地化しているのだ。
端から端まで歩けば30分ほどの観光ゾーンの要所には、「鉄がどうやって作られていたか」などをガイドする看板も設けられ、スーベニアショップではかつてのベツレヘム・スティールによるノベルティ製品なども販売されていた。
まるでスチームパンクの世界観をそのまま現実化したような印象で、僕はそのセンスのすばらしさに圧倒された。
またこの街では、毎年夏に全米最大の無料野外音楽フェスも開催している。
1984年から、毎年8月の1週目にベツレヘムでミュージックフェストという音楽祭が行われてきていたが、現在では、3週間もの長期にわたって開催され、数多くの有名アーティストが出演している。
(中略)
ライブが終わればカジノに出かける人もいるが、僕の見た限りでは、ギャンブルに興じていたのはほとんど中国人観光客立った。
この街はニューヨークから車で1時間半の場所にあるが、実はチャイナタウンからの直行バスが一日に何便も出ている。
つまりは、こういうことだ。
ギャンブル好きの中国人からカジノで巻き上げたその金で、無料ライブを毎夜開催し、多くの人をここに集めて、地域は活性化に成功したのだ。
カジノという収益性の高い施設があるからこそ、他にはできない投資サイクルができる仕組みといえるだろう。
人は、賑わっている場所に行きたいものだ。
(中略)
日本にも廃墟となった工場地帯を抱えたままの地方都市は多くある。
だが、ベツレヘ厶はそうした負の遺産を逆手に取り、サンズの力を借りて地方創生に成功したのだ。
このアイデアとセンス、日本の地方都市でサンプリングできないだろうか?
2020年に開催される東京オリンピックに向け、国立競技場の建て替えが注目を集めたが、僕が思うに、人々を惹きつけるのは近代的な新しい建物ばかりではない。
日本では多数の施設においてスクラップ&ビルドが繰り返されて来たが、新しい建物の建設を求めているのは、一般の人々ではなく、利権に絡んだ人々なのだ。
そして、古き良き建物に流れる「かつての時間」は、一度建物を壊してしまえば、どんなにお金をかけても買い戻すことはできない。
日本でも2015年に長崎県の端島(軍艦島)が世界文化遺産に登録され、2009年以降は一般向けの観光ツアーも実施されている。
廃墟となった炭鉱の島を一目見たいという人々で人気を集めているのも事実だ。
スクラップ&ビルド至上主義の日本であっても、数千年前の遺跡だけではなく、わずか数十年前の建物でも、そこに価値を見出すことはもちろん可能なのである。
サンズ・ベツレヘムのこのやり方は、国家が取り組む大都市観光型IR施策としてら、いささか規模が小さい。
しかし、巨額の費用を投じずとも、カジノを生かす発想力があれば、どんな地方都市でも成功できることを教えている。
これこそが今後の地方創生に必要な「センス」であることは間違いないだろう。
要するにカジノだけ作って「ハイ地域活性化」なんて甘い話ではないってことです。
まずは地域の魅力をどのようにして発信していくのか、その新たな切り口が求められています。
IRは旧来社会システムを変える「ラストリゾート」だ!
IRの成功の鍵は、法案でもギャンブル依存症抑制でもなく、今までの日本式システムを破り、新しい型をつくることにある。
だからこそ、シンガポール同様に外資によるオペレーションが鍵を握ると僕は考えている。
もはや誰もが知るように、期待していた東京オリンピックによる特需は、旧態依然とした経済の仕組みの中へと吸い込まれていった。
ゼネコンや政治家を中心とする旧型社会に食われてしまったのだ。
国を挙げて巨額の費用を投じるラストリゾートとしてのIRは、オールドエコノミーからニューエコノミーに転換する本当のラストチャンスだ。
現在、IR構想に対し、パチンコ産業の大手やアミューズメント機器メーカーが食い込もうと必死になっているが、もしもこれを易々と許せば、旧来型のフレームに収まり、社会システムも経済のあり方もこれまでと変わらないまま続いていくだろう。
その上、IRそのものが失敗に終わる可能性が高く、せっかく誘致に成功した地方都市は再生できずに、国民は疲弊し、結果、日本経済は粛々と終息に向かうだろう。
だからこそ、シンガポールは外国資本を呼び込んだのではないだろうか。
これまでの社会のあり方とはまったく違う外からの力が入れば、客観性は担保され、旧型の構造やそこに棲みつく黒い利権は淘汰できる。
なにより、もし東京でIRを実現するのなら、「シンガポールのサンズの5倍はすごいものをつくらねば勝てない」と僕は考えている。
新しい国立競技場の失敗をくりかえしてはならず、いくらかかっても、これまで見たことのないようなIRをつくらなければならない。
それも人のお金で。
歴史を振り返っても、日本は黒船の来航などの外圧によって変化してきた国である。
長い歴史を持つ国だからこそ、多くのしがらみもあり、自らだけで変わるのはとても難しい。
もはやIRの成功は、カジノや観光収入だけの問題ではない。
それは、戦後長く続いてきた社会システムを刷新し、日本が再生するために、そして、この国家が長く生きらえていくために必要なことだろうと、多くの地を見てきて実感する。
残されたこの最後の楽園が、旧来型の人々の欲望に食い尽くされぬことを、僕は心底願ってやまない。
山本太郎さんが国会答弁で言ってましたよね。
「カジノ法案はセガサミーのためか!」
って(笑)
高城さんが危惧しているのが現実化しそうだなーというのが正直なところ。
- 作者: 高城剛
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コナカノタカコ「3か月で旦那さんのお給料から卒業する」
「お金がないから出来ない」を捨てる
20代の頃は、自分自身の生きづらさを抱え、それを治すことに必死で、病院にもたくさん通って、自分を甘やかすことで、何とか自分を慰める生き方をしていました。
お金の使い方も、後先考えずに、衝動的に欲しいものを買って、同じような服を何着も買って、結局は着ないまま捨てる……の繰り返しの日々。
それでいて、いつも「お金がない、お金がない」と言っていました。
中国輸入で絶対に成功する! と覚悟を決めた時、物欲はひとまず捨てる! と決めました。
学びのために投資するお金こそ、リターンとして利益に変わるお金です。
お金がないという人は、本当にお金がないかを、よく自分の行動を振り返って考えてください。
お金がないという割には、無駄遣いをしていませんか?
成功したいのならば、成功するまでは必要がない限り、無駄なお金を使わないこと。
全財産をビジネスの資金として投資する! くらいの覚悟を持ちましょう。
短期集中型で目標や夢を達成させたいと思いませんか?
毎月、美容院にだって行きたい。
ネイルもしたいし、オシャレもしたい。
それを可能にするために、短期間だけ、様々な欲を断ちましょう!
ビジネスを始めた最初の3か月、わたしは愚直に取り組みました。
「お金がないから出来ない」という考えは捨て、お金を作ることを考えるのです。
無駄遣いはやめて、お金をかき集め、資金として自己投資に使いましょう。
しかも、喜んで投資することがポイントです。
出ていくお金を、感謝を込めて送り出すことで、よく言われることですが、お金は必ず戻って来てくれます。
しかも、大きなお金として帰って来てくれるのです。
それでも「お金がない」と言う人は、今はビジネスや新しいことに挑戦する時期ではないのかもしれません。
何としてでもやりたい!
絶対に叶えたい夢がある!そんな風に思っているのであれば、大丈夫です。
そもそも、やりたくて仕方ないから、何らかの行動をするはずです。
「お金がない」で立ち止まるくらいなら、本当はやめておいた方がいいのです。
お金は、何とかして作るものです。
お金は、何とかして作れるものです。そして、韓者とともに、気持ちよく送り出し、喜んで迎え入れるもの。
だから、わたしはこれからも堂々と「お金が大好き」と言います。
あなたも、「お金が大好き」と宣言しましょう。
旦那さんのお給料から卒業する意味
あなたは、主婦やママの役割をこなす毎日に、憂鬱な気持ちやイライラを感じていませんか?
わたしは、ビジネスを始める前までの長い間、心の病を抱えた、ただの専業主婦でした。
毎日がとんでもなく憂鬱で、情緒不安定でイライラしたり……。
周りのママたちが、みんな楽しそうに集まって、げらげらと大笑いしている中で、こんな不安や不満、悩みを抱えているのは、わたしだけだと思い込んでいたのです。
だけど、みな人前では笑っていても、お気楽なわけではなく、日常に何かしら不満や不安、苛立ち、ストレスを感じながら過ごしているのだと、ブログを通して知ることが出来ました。
何が理由というよりも、得たいのしれないストレスが原因なのですよね。
わたしたちは、主婦やママだからというだけで、知らず知らずのうちに、さまざまな制限や縛りがあるのです。
それすらも違和感を感じなくなって来るのが、摩訶不思議なところです。
専業主婦は、暇なのだから家事をして当然。
専業主婦は、三食昼寝付きで楽ちん、贅沢。
専業主婦は、無職で自由。
だから、育児や家事は、専業主婦の「役目」なのです。
旦那さんの役目が、家族を養うことであると同じように。
主婦やママ業は、365日休みのない、いちばん大変なお仕事なのにね。
それでも、子どもは可愛いし、子育てに追われていると、そんな認識にも抵抗きなくなってしまうくらい毎日疲れて寝るだけ。
パパは週3で飲みに行っても、ママが夜飲みに行くのは非常識 なのです。
そして、ママが自分自身で、それが普通だと思い込んでしまいます。
だけど、それで本当にいいのでしょうか?
そういう気持ちも本当はあるからこそ、モヤモヤしてイライラして憂鬱で、どうにかしたいと模索するのですよね。
簡単に起業してはいけない!
(中略)
「しあわせの軸」は、しっかり持っていてください。わたしは、ずっと迷惑をかけてきた家族を、自分の力でしあわせにするために、自分自身に自身をつけ、自己肯定感を作り上げることが、何よりも必要でした。
そのための手段として選んだのが「中国輸入ビジネス」だったのです。
本当は何を選んでもよかったのです。
しあわせになるための覚悟を持ち、絶対に折れない決心をして、気持ちが熱いうちに、即行動したかったので、手段を選んでいられませんでした。
とにかく最初に目についたビジネスを選び、そして、やり抜くことを誓いました。
ですから、『旦那さんのお給料から卒業する』ために起業してはいけません。
こうなりたい! という未来を決め、覚悟を持って、そこへ向かうために、旦那さんのお給料からそうするのです。
けっして、間違えないでくださいね。
- 作者: コナカノタカコ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/01/27
- メディア: 単行本
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レイザーラモンRG「人生はあるあるである」
120冊目到達。えらいえらい(*^^*)
130冊目指して頑張ろう♪
* 東日本大震災が起こった日
僕にできることは何だろう。
考えた末に、ツイッターに書き込んだ。
「辛い思いをしている方が少しでも笑顔になれたらと思って、あるあるをつぶやきます。不謹慎だと思う方はフォローを外してください」。
僕が今できることはやっぱりこれしかない。
こうして、お題をいただいてあるあるを返す、本当の「あるある荒行」が始まった。
余震が続き、不安で眠れない人たちのためにたびたび寝落ちしながらも、夜中、何百というお題にあるあるを返した。
その頃は他の仕事も全部飛んでしまっていた。
ツイッターでお題に答え続けることだけが僕の仕事だった。
ちなみにその時、ツイッターで僕と同じようなことをされていたのがデーブ・スペクターさんだった。
デーブさんはただただ、フォロワーにダジャレをひたすら返していた。
(中略)
当時、僕の元へバッシングもあった。
「みんなが悲しんでいる時にふざけたことをするな」「貴重な電気を使うな」という声。
そんななか怒りを露わにして、「RG、いい加減にしろ!」とツイートしてきた大学生がいた。
それに対し「俺はお笑い芸人だから、これしかできない。今すぐ被災地には行けないし、今落ち込んでいる人たちをなんとかしたいという気持ちであるあるをやっている。僕のつぶやきを見るのが嫌だったらフォローを外してくれ」と答えた。
すると本人ではなく、その学生の友達から「責任感の強い熱い奴なんです。今、教師目指して頑張ってるとこらなんです」というつぶやきが返ってきた。
普段通りにも過ごしていたら、ツイッターでこんなやりとりが交差することはなかっただろう。
いろんなお題がバンバン来て、必死で返していた。
返さなきゃ、という気持ちだった。
「あるあるハイ」のような状態のまま、夜通しあるあるを返し続けていた。
気がついたら、フォロワー数が一気に増えていた。
余震が落ち着き、その後だいぶ月日が経ってからのことだった。
怒りをぶつけてきた大学生本人から「無事に教師になりました。あの時は心ないこと言ってすみませんでした」とメッセージが来た。
辛い時のことほど染み込むのだ。
ホットケーキの上に、バターをのせてもなかなか染み込まないが、ナイフで切れ目を入れるとよく染み込む、これもあるあるである。
(中略)
際立った才能があるわけではない人間が、この群雄割拠の、サイクルの早いお笑いの世界でサバイバルしていくには一体どうしたらいいのか―――悩み続けた僕がいつの間にか手にしていたのは、あるあるという武器だった。
(中略)
あるあるを見つけることは、物事をじっと見て、肯定的に捉えることだ。
あるあるは、価値観の異なる他人のなかで生き抜こうとするすべての人の道を明るく照らしてくれるはずだ。
決して順風満帆ではなかった。
でも、信じて歩んだ先には必ず道ができる。
これから、僕自身の子供の頃から環境に適応しながら、自分の生きる道を見つけていくためにやっていた「あるある探し」の醍醐味と歓びを綴っていこうと思う。
この本が、読んでいただいた方にとっても、少しでもあるあるだと思っていただけたら幸いである。
ちなみに、震災の余震が続くなか、がむしゃらにあるあるを返していたうちに、大変な数、リツイートされたものがある。
それは、僕の人生の下積み時代のすべてを表しているような、人生を肯定するあるあるだ。
「逆境」あるある……人間を成長させがち。
家族の結束が固まる時
2013年は僕にとって、あらゆる面で激動の年だった。
そして、家族の結束がこれまでにないほど強くなった年でもあった。
2013年の夏、嫁は死産を経験した。
妊娠したお腹の子は、「18トリソミー」という染色体異常からかかる病気だったのだ。
芸人という仕事柄、親しい人にも長い間このことは知らせていなかった。
娘のことを初めて公表したのは、2014年、三人の知り合いを指名して難病を救うための寄付を募っていく「アイスバケツチャレンジ」が流行った時だった。
僕のところへも指名が来て、僕は僕が演じるキャラクター三人を指名して終わらせた。
芸人にしてみたら、大喜利というか、どう返すかみたいなところを問われているんだろうと思った。
そしてその時に18トリソミーという病気のことを知ってもらいたいと思って、SNSで僕の状況を説明させてもらった。
長男、武丸を生んで、すぐにふたり目を作ろうということになったが、嫁は「一人ひとりをちゃんと愛情込めて育てたい」と考えた。
そこで間隔を離して、いざふたり目と思っていた頃、震災があった。
そこでまた少し時間を空けて、ようやくふたり目ができた。
僕らは大喜びで、「よかった、よかった」と無邪気に言い合っていた。
女の子だった。
その年、僕はDVDを出すことになっていて、その収録の会場に妊娠中の嫁を連れてきて、僕のあるあるを、嫁と、お腹のなかの娘に聴かせたりしていた。
だが安定期を過ぎた六、七か月ぐらいの頃、エコーを見ると、「ちょっと指と足が曲がっています」と医者が言った。
(中略)
そして医者は続けた。
「18トリソミーの子は、無事に生まれても長生きはできないことがおおいです」。
僕は悩んだ。
だが嫁はきっぱりと言った。
「こんなに育ってるから、せめてちゃんと産んであげたい」。
僕も納得した。
そして僕たちは、娘の名前も考えた。
ところが妊娠予定日になっても、陣痛はうまく来なかった。
一方で羊水でお腹が膨らみすぎて、嫁の体が危なくなってきた。
お腹の子は、羊水の中だったら生きていられるのだが、外に出たらどうなるかわからないという状態だった。
結局、陣痛促進剤を使って、人工的に陣痛を起こさせて出産した。
だが、その出産の途中で、お腹の子は力尽きてしまった。
僕も出産に立ち会った。
その小さな姿は、それはそれはきれいだった。
(中略)
この出来事は、僕たち家族にとって、とてもきつい試練だった。
子供の頃から僕のなかには「いいことと悪いことは半々」という人生観があった。
だからどんなに辛い時も、この後、絶対いいことがあると思っている。
その時もそう思った。
その年の終わり、僕たちレイザーラモンは『THE MANZAI』の決勝に残ることができた。
そして、僕は『R-1グランプリ』で決勝進出を果たした。
この年、必死に頑張った僕たち家族に、娘がくれたご褒美だと思った。
「辛いこと」あるある……その後にいいことがありがち。
嫁が退院してから、気持ちが落ち込んでいたので、僕はなるべく一緒にいてあげた。
そして武丸もすごく頑張って、嫁のためにいろいろやってくれた。
その時、家族の結束がさらに強まった。
生まれてからしんだ場合、戸籍には残る。
だが、体内で息を引き取った場合は戸籍には残らない。
だからせめてもの証拠として、この年の夏に発売したDVDにはあの夏の収録会場にたしかにいた、嫁と息子と娘の名前をエンドクレジットに入れた。
常連のお客さんが教えてくれること
僕は基本的に、短期的なスパンの損得を考えるよりも、長期的なスパンの損得を大事にしている。
即効性のある利益を求めて短期的にたくさんお客さんを増やすことよりも、固定のお客さんにずっと来てもらうのが、最終的に大きな成果を出すことにつながると思うからだ。
バスツアーも、開催側からは「新規のお客さんをもっと入れましょう」という声が強い。
だが僕は常連さんがいちばん大事だということを訴え続けている。
僕は常連さんのツイッターをチェックして、「あそこちょっとイヤだったな」という意見を探す。
常連さんにつまらないと思われるのがいちばんイヤなのだ。
売れない頃の、十人くらいしかお客さんが来なかった時代のイベントから参加してくれている人たちもいる。
そういう方が希望していることになるべく応えたい。
人気者じゃない時期が長かったがために、「こんな俺のために来てくれてるお客さん」がすごく大事なのだ。
その常連のお客さんたちは、新しいお客さんに「レイザーラモンRGのイベントの楽しみ方」みたいなものを、なんとなく広めていってくれる。
僕のイベントは、その人たちと一緒に育てていると思っている。
「修学旅行のつもりでバスツアーするんで、制服着て来てください」と言ったら、本当に着て来てくれる。
「バブルのディスコみたいなイベントします」と言ったら、ディスコっぽい格好をして来てくれる。
そういうノリのいいお客さんたちと共にこのバスツアーは育ってきた。
僕を使ってみんなが楽しんでくれるバスツアーなのだから、常連さんも僕の作品のひとつだと言ってもいいのかもしれない。
このバスツアーでは、常連さんが求めているあるあるは何かを探すことがもっとも大事な仕事だ。
常連さんがいちばん喜ぶことは何か。
たとえば、いろんなタイプのお客さんにたくさん入ってほしいと考えるのだったら、今売れている人のあるあるを探せばいい。
でも僕の常連さんを喜ばせたいと考えると、常連さんに今刺さっている人は誰かとまず考える。
それはたとえば「ダイアンの津田篤宏だな」「矢野・兵動の矢野勝也さんだな」という選択だったりする。
そういうことを常に観察しておくことが大事になってくるのだ。
「常連客」あるある……自分の魅力教えてくれがち。
少数であっても、常連さんが教えてくれることは大きい。
なぜなら、常連さんの好みこそが自分自身の客観的な魅力だったりもするのだ。
だから常連イコール自分を映す鏡だと思っている。
長く愛されるには
僕のあるあるイベントでのサービス精神は、たぶん大阪時代にアルバイトをしていた、個室でアダルトビデオを鑑賞する店、いわゆる「個室ビデオ店」で培われたのだと思う。
当時僕は、芸人の仕事がなさすぎためシフトに入りすぎ、ほぼその店に住んでいたといっても過言ではなかった。
みるみる出世した僕は、バイトながら店長に上り詰め、天津の向清太朗をバイト店員として雇ったりもしていた。
ついにAV仕入れからすべてを任されていたあの時期、僕は真剣に売上を考えてみればかなりの本数のAVを観ていたと思う。
店長として、その個室ビデオチェーンの店長会議にも出ていた。
どうしたら売上が伸びるか。
その頃のノウハウがその後に活かされている。
(中略)
個室ビデオ店は夜の営業が多い。
しかも繁華街にある雑居ビルだったので、僕がバイトを始めた頃は酔っ払ってトイレを汚す人も多かった。
だが、しだいにお客さんが「何度も来たい」と思うような店になり、常連さんが増えて、自分にとっての "第二の家" くらいの愛着が芽生えてきた頃には、みなさんトイレをきれいに使ってくれるようになった。
僕もしだいに常連さんの個々の傾向を理解するようになっていった。
回数を重ねると、借りるビデオでその人の趣向がわかってくる。
「なるほど、あの人は熟女がすきなんだな」とわかると、熟女モノを多めに仕入れるし、旧い作品はちゃんと置いておく。
そうしているうちに、常連さんが、「さっき飲み会があって、お土産にお寿司もらったけど食べる?」なんて言ってくださり、あたたかい交流が生まれ、いつの間にか個室ビデオ店が居酒屋のような場所になっていった。
大人になると誰しもなじみの店が欲しいものだが、僕の店はそういう場所になっていたのだ。
店を守るためにも、常連に尽くすというのは、すごく大切なことなのだ。
その店は、上京する直前まで結局六年くらい働いていた。
僕はバイトだったが、月三十万円ぐらい稼いでいた。
芸人としての収入は五万円くらいだったが。
「売れ続ける」あるある……常連を大切にしがち。
常連を大事にしすぎると、マーケットがしぼんでいくように思われるかもしれない。
だが、AV業界もあるあるも、もともと濃く狭いところなのだ。
濃く狭いことを売りにしているのであれば、より常連を大事にしなくてはならないと感じる。
僕は、チェーン店で規模を広げて儲けることよりも、店の看板を大切に守ることのほうが大事だと思っている。
芸人としての仕事に置き換えると、大きいハコでやりたいのではなく、四百人気がくらいの席を何十年も埋めていきたい。
言ってみれば、京都の老舗みたいな考え方だ。
イベントをたくさんやりすぎると、その常連さんたちに対して、「ごめんな、お金使わせて」と、ちょっと申し訳ない気持ちになる。
そんな時は、その人たちが喜びそうなゲストをツイッターで調べ、その人を呼ぶという試みをしたりする。
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商品名になりがちな紹介記事のタイトルを「将来の快適な生活」にしてみる
ワイヤレスマウスの便利さを伝える記事を書く場合、「ロジクールLXP-20がすごい便利な件」だと、「自分には関係ない」とスルーされがちになります。
検索エンジンで上位表示できれば良いですが、商品名のキーワードは大手ネットショッピングモールも参戦する激戦区です。
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誰にも読まれない記事のできあがりです。
「自分ごと」と捉えてもらうようなタイトル
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わかったブログで人気の記事のタイトル
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数字入りのタイトルも人気です。
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ぜひ参考にしてみてください。
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「レビュー記事」をマスターする
商品レビュー記事は書評と同じ
商品を紹介する記事も、書評と同じように考えます。書評が本のあらすじや要約を書くものではないのと同じで、商品レビューも商品の色や大きさといったスペックを紹介する必要はありません。
細かいスペックを記載せずとも、商品の全体写真が一枚あれば十分です。
その代わり、商品への期待、商品を購入するまでの経緯、実際に使った感想といった、自分に関わることを書いていきます。
商品を購入したことによる、生活の変化についての話は面白いです。
書評と同じように、補助線を意識します。
補助線とは、「自分」です。
商品をダシに自分を語るのです。
グルメレポートにチャレンジしてみよう
「美味しい」と書いてはいけない
グルメ記事では、安易に「美味しい」と評価してはいけません。美味しいと書いてしまうと、他に何も書きようがなくなりますし、文章自体が軽くなってしまいます。
美味しいと書くかわりに、店内の雰囲気や、店員さんのちょっとした言葉、素材の産地の情報などの、周辺情報を説明することで、「この料理は絶対に美味しいはずだ」と、読者自身に想像させるのです。
このテクニックは、書評や商品レビューでも使えます。
「面白い」「便利だ」のような安易な言葉は、なるべく使わないようにしましょう。
日記はノウハウ記事に置き換える
最もやりがちなのが「日記」を書いてしまうことです。
「朝ごはんを食べて、散歩をして、街中のバーゲンで買い物をした……」のような、朝から順番に行動を記録した文章です。
芸能人の日記なら喜ばれますが、一般人の日記を好んで読む人はいません。
日記ではなく、テーマを絞ってノウハウ記事に書き換えると良いでしょう。
散歩は「○○市でお勧めの散歩コース7選」、バーゲンは「□□商店会のバーゲン情報を確実にキャッチする方法」といった具合に、読者にとって有益な記事にするのです。
自分にとっては当たり前の日常でも、他人にとっては知らないことだったりします。
「こんなこと役に立たないので」とは思わずに、お役立ち情報にならないかを考えてみましょう。
節約術は最強のブログネタ
節約ブログのすすめ
これから立ち上げるブログのコンセプトに迷っているのであれば、節約ブログがお勧めです。節約ブログは、色々な話題を扱えるため、運営しやすいからです。
ただし、漠然とした「節約」がテーマだと他の節約ブログと差別化ができません。
子供の教育費の節約や、節約してローン繰り上げ返済など、絞ったコンセプトがあったほうが良いでしょう。
共感してくれる読者は必ずいます。
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節約関連の記事は様々なジャンルを扱えます。お得な商品やサービスをアフィリエイトで紹介すると、収益化しやすいです。
セール情報は売れやすいのでお勧めです。
クレジットカードはポイントや保険サービスなどの付帯サービスが節約になるため、紹介しやすいです。
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記事がかけない時は4行日記フォーマット
ライフハックブログ「シゴタノ」の管理人である、大橋悦夫さんの著書、「手帳ブログ」のススメで紹介されている、四行日記のフォーマットが秀逸です。
文字通り、日記を4行で書くものです。
たった4行だけ?
と思うかもしれません。
各々の行で書く内容が決まっているところがポイントです。
1行目「事実」
その日にあったことや自分がやったことを書く
2行目「気づき」
その事実を通して気づいたことを書く(反省する)
3行目「教訓」
その気づきから導き出されたことを教訓としてまとめる(次の行動の目標を作る)
4行目「宣言」
その教訓を活かして、できている自分の姿を描く(イメージを描く)このフォーマットを利用すれば、毎日何かしらの記事を書けるでしょう。
具体的な事例から得られた教訓は、読みものとして面白いです。
生活そのものをコンテンツ化する
「藤原家の毎日家ごはん」というブログをご存知でしょうか?
毎日の食事の様子をポストしている人気ブログです。
書籍化もされていて、累計60万部だそうです。
一冊1000円で10%の印税だとすると、6000万円。
当然ブログ収入はあるでしょう。
講演、テレビ出演による収入もあるはずです。
この藤原家の毎日朝ごはんは、「毎日の生活を収益化」する究極な形です。
生活そのものをコンテンツにしています。
日常の食事の様子が読者を引きつけています。
楽しい生活をすればするほど、藤原家は収入が増えるという、理想的なビジネスモデルです。
生活の中で、コンテンツ化できるものを探してみましょう。
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