ひかるの読書

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三田紀房・田尻賢誉「砂の栄冠 甲子園研究所」

阪神園芸も早く帰りたい

ドラゴン桜」の三田紀房さんと、高校野球に関する著書を執筆している田尻賢誉さんが、高校野球部の現状や甲子園の裏側を書いた本。

面白かったのは、甲子園の試合時間は2時間で終わらせるのが義務化されていること。

ぶっちゃけ甲子園とは興行であり、高校生のためにやっているんじゃない。だから試合はどんどん消化した方が経費はかからないし、関係者も早く帰れる。

試合が長引くと審判は「早くしろ」と圧力をかけてきます。

  • タイムを取りすぎだからダメ
  • 立ち上がる捕手を押さえつけてタイムを妨害
  • 代打の準備ができていない選手を睨む

ベンチの入れ替えがトロいと役員から「早くしろ」と怒鳴られ、準備がまだなのに「ノック始めてください」とアナウンスされます。

そして阪神園芸。ノック中でもお構いなしにファウルグラウンドを整備します。試合間に無駄な時間を作らない技術は本当にすごい。

しかし彼らの仕事は全試合終了後が本番なので、やはり「早く帰りたい」と思っています。

この体制を変えるのは無理なので「そういうものだ」と納得し、早めの準備を徹底する必要があります。それほど甲子園で「いつも通り」に戦うことは難しい。

時間を牛耳る役員・審判・阪神園芸も「甲子園の魔物」です(笑)


甲子園における応援の重要性

リードされてる9回に観客がうちわをパタパタしているようでは勝ち目はない。選曲、演奏、気合、演出。「この曲がかかれば何かが起きる」と思わせ、スタンドから自然と手拍子が起きてこそ奇跡が生まれます。

智辯和歌山と対戦するのに漠然「アフリカン・シンフォニー」を演奏しているようではダメです。応援からしてスキだらけでは勝てるわけがありません。


野球は知的なゲーム

「間」が多いから考える時間もたくさんあります。相手とのかけひきもあるので、インテリがやるスポーツといっても過言ではありません。それなのにわざわざ「あいつバカだな」と思わせる身なりや態度、行動を取っている時点でダメ。




砂の栄冠 甲子園研究所

砂の栄冠 甲子園研究所