田中保彦「夕方5時から社長になる!」
どんな人でも「USP」を持っている
「USP(Unique Selling Proposition)/ ユニーク・セリング・プロポジション」という言葉を、ご存じでしょうか。
これは、セールスマーケティングの言葉なのですが、ひとことでいうと、「自分の『売り』や『強み』」、情報教材においては「自分が売って稼ぐことのできるネタ」のことです。
この言葉のいちばん重要で本質的な意味は、「ほかにまったく同じような(同じようにやっている)人がなかなかいないこと」であったり、「自分の好きなこと」であったり、「自分がずっと(やり)続けていること」ということです。
此処で再びきっぱりと言い切りますが、このUSPとは、どんな人にも必ずあるものです。
頭を下げ続けてきた経験で一億円稼いだ男
20年間、ただただ頭を下げ続けてきた男。
その活動をネタに一億円稼いだ、という実例があります。
彼は、ある企業の「クレーム処理担当係」でした。
彼にとって、頭を下げて謝り、しかるべき措置をとり、お客様にご理解いただいたり、ご容赦いただいたりすることは、日常茶飯のルーティンワーク。
人生いろいろ、お客様もいろいろなので、その場その場での臨機応変な対応が求められることもあります。
しかし、彼にしてみれば、それはおよそ人々が驚くようなワザでも技術でもなくごく当たり前の、毎日の仕事をしているだけにすぎませんでした。
「別にこれといった価値もないだろう」
そう思っていた自分の平凡な日々の「仕事」を、彼はひょんなきっかけで本にすることになりました。
それは、二〇年の間に、彼自身が経験したクレーム処理のノウハウを集めたもので、題して、『社長をだせ!』(宝島社刊)。
これが思わぬ大ヒットとなり、この「二〇年間頭を下げ続けた男」は、たくさんの印税収入を手にしたのです。
- 作者: 川田茂雄
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2003/07
- メディア: 単行本
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この本のメインターゲット(クレーム処理を仕事としている人)は少数です。
しかしその限られた人たちはものすごく困っていて、問題解決のための助けがほしかったのです。
このように、「えっ! こんなことが、なぜ」と、大ヒットさせた本人自身が驚き、自分にとっては取るに足らない、売れるのかどうか果たして疑問というようなものが、じつは本人の最大・最強のUSPであることがままあるのです。
「○○しただけ」が爆発的に売れる
・主婦が毎日つくったお弁当を記録しただけのもの。
日々弁当の献立に頭を悩ます主婦にとっては、実に頼りになるマニュアルです。
・耳にした女子高生の会話を記録しただけのもの。
40〜50代の男性、つまりお父さんが買います。
それは「娘とのコミュニケーションの参考にするため」。
娘と仲良くなりたいお父さんたちから絶大な支持を受けているのです。
・詩を朗読しただけのもの
不眠解消グッズとして売れている。
「共感」がヒットを生む
情報教材の世界では、「市場が小さい」ことが不利になるどころか「市場が小さい」ゆえに売れる、というケースがいくらでもあります。
一般の企業でモノをつくって売ろうというときには、そのターゲットとなる人口が少ない、「市場が小さい」ということは、「需要が少ない」ために「売れない」ということで、現実には商品化が難しいということになるでしょう。
しかしそのように、社会の片隅に追いやられてしまいがちなものは、ほかに競合する商品がありません。
競合がないのてすから、その商品が解決できる悩みが深ければ深いほど、必ずその商品を買う人が増えるという現象が生まれます。
情報教材ビジネスでは、売れる可能性が台である、といってもいいと思います。
つまり、「市場が小さい」=「確実に売れる」=「需要がある」という逆の現象が起こるのですが、これというのもそこには、つくって売る側と、それを買う側との双方に、ある種の「共感」が生まれているからなのです。
「ニーズ」は生まれるものではなく、掘り起こすもの
田中さんの知人のBさんが、大勢の弁護士が集まるパーティに参加したときの話。
その場にいた弁護士20人全員と名刺交換をし、話をしながら彼らが今、何に困っているかをそれとなく聞き出しました。
その頃は裁判員制度が始まる直前で、彼らはその対策に困っていることがわかりました。
そこでBさん、「裁判員対策のDVD」の企画を売り込み始めたのです。
そして会場にいた弁護士20人のうち、16人から先行予約を受け付けたのです。
契約率80%!
このDVDは、「こうすれば裁判員とうまく連携を図ることができる」というコミュニケーションスキルを内容としたものでした。
特に注目したい点は、Bさんがこのパーティ会場に足を踏み入れたときにはまだ、Bさんはもちろんのこと、将来このDVDを購入することになる弁護士さんたちにも、「あったらいいな」というニーズは生まれていなかったのです。
Bさんがヒアリングをして、「あったらいいな「」というニーズが浮き彫りになり、さらに「あったら売れる」がほぼ確定する。
あとは商品の企画を考え出し、弁護士さんに宣伝をし、予約注文を受けた結果、80%の弁護士さんに売れたというお話。
売れるホームページを作る
AIDMA(アイドマ)の法則
- Attention(注目を集め)
- Interest(興味を持たせ)
- Desire(欲望を起こさせ)
- Memory(記憶に留め)
- Action(行動させる)
広告宣伝の手法
Quest Formula(クエスト・フォーミュラ)
- Quality(誓約。あなたの悩みを解決するのはこの私です、と宣言して約束する)
- Understand(理解・共感。あなたの悩みを理解して共感しています、ということを読み手に伝える。例えば「私もかつては○○でした」という一節を入れるなど)
- Educate(教育。商品のメリットをアピール)
- Stimulate(読み手を興奮させる)
- Transition(商品の購入を促す)
セールスレターを書くときに、この流れで書くと間違いないといわれるパターン。
売れているレターを「写経」する
「写経」というからには、これはあくまで「手書き」。
しかも1〜2回ちょこちょこっとやる、というのではなく、何度も何度も、売り上げNo.1の1ページを10回書いたという人もいます。
逆に色々なレターを複数回書き写すのがベターとも言われています。
要するに、書いて書いて書き続け、それを繰り返すことで、感覚的に売れるセールスレターのコツが掴めるようになるのです。
- 作者: 田中保彦
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