藤井健太郎「悪意とこだわりの演出術」
藤井健太郎「悪意とこだわりの演出術」を読みました。
- 作者: 藤井健太郎
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/08/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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TBSの「水曜日のダウンタウン」「クイズ☆タレント名鑑」などを手がけている藤井健太郎さんの本です。
僕は「クイズ☆タレント名鑑」が大好きで、芸能人検索ワード連想クイズは今でもたまにYouTubeで観たりするんですが、その番組を作った藤井さんの本ということで読んでみました。
ちなみに芸能人検索ワード連想クイズとは、5つのキーワードから連想される芸能人を当てるというクイズです。
1つ目のキーワードにハゲ、ゲイ、キモい、不倫、バカ息子などが出てきて、有吉やフジモンが該当する芸能人の名前を連呼するっていう最低なクイズです(笑)
たとえば「バカ息子」に対して有吉が「落合福嗣!」っていうね。
そんなクズ番組(笑)を作ってた人が、藤井健太郎さんでございます。
以下、本の内容に移ります。
基本があったらズラすのは簡単
タレント名鑑の初回特番でやった、「有名人!この人誰だっけ?クイズ」。
その中でマット・ガファリが答えのとき、本人の写真やエピソードの面白さで番組全体が大盛り上がり。
そこで2回目の特番でも「誰だっけ?クイズ」をやるのですが、マット・ガファリに相当する人物がなかなか見つからない。
そこそこいい人がいても、ガファリに比べたらちょっと弱い。
さて藤井さんは、このピンチをどうやって切り抜けたのでしょうか。
そして、「ガファリみたいなのいないかな~。ガファリみたいなのいないかな~」と散々考えた結果、「あ、ガファリでいいか」と。
ガファリをもう一度出題する考えに行き着きました。
同じ問題を2回出しちゃいけない決まりなんてないことに気づきました。
いわゆる「テレビのお約束」を、藤井さんはぶっ壊します。
「芸能人そっくりさんクイズ」みたいな企画でも、織田信成のそっくりさんを3問連続で出してました。
そのあと、おぎやはぎ小木さんのそっくりさんを1問入れて、再び織田信成のそっくりさんをクイズに(笑)
あとは上記の検索ワード連想クイズで、「悪意のあるキーワードばっかりやん」とツッコむフット後藤に対して、
「いちいちうるせぇな、バカ!」
と反撃する有吉(笑)
そしてキーワードの1つ目で(空気を読まず)正解してしまったクリス松村に対しても、
「お前反省してんのか!」
「次やったら殺すぞ!」
という有吉。
そして「正解は出ましたが、キーワードが全部出るまで続けましょう」というムチャクチャな進行をするロンブー淳。
クイズの正解よりも、面白ければなんでもいいという姿勢。
テレビの常識を逆手にとるスタイル。
これが僕は大好きでした。
説明過多は醒める
藤井さんの番組作りに対する考え方がわかる文章です。
僕の基本は、「知らないモノは面白いモノ」です。
何も知らない人に合わせたら、知っている人はつまらなくなります。
もちろん説明不足はダメだけど、説明過多もダメ。
テレビはマスなメディアなので「わかり易いこと」は大事な要素です。
「みんなが見慣れているモノ」
「説明が行き届いているモノ」そういう安心が、テレビに求められている場合もあると思います。
ただ、「全員がわかるように」は違うかなと。
すでに知っていることを説明されすぎたら醒めますよね。
ちょっと不親切なぐらいが心地よかったり、説明しない方が、視聴者も興味をかきたてられり場合があるはずです。
説明過多な番組といえば、徹子の部屋で芸人がネタを披露するとき。
「○○のネタはどういう意味なんですか?」と細かく聞いてきますよね、徹子は。
芸人の方も「いや、そこは察しろよ」みたいな感じで苦笑いしますもんね(笑)
検索ワード連想クイズでも、昔有名だった芸能人の名前が次から次へと出てきます。氏神一番とか。
当然、若い人は知りません。
番組側もいちいち説明をしません。
けどそれでいいんです。
いちいち説明してたらその場のテンポが悪くなり、楽しい雰囲気が消えてしまいますからね。
【メモ】
深夜番組の「放送禁止」
映画「フロム・ダスク・ティル・ドーン」
- 作者: 藤井健太郎
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/08/17
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