ひかるの読書

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棚橋弘至「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」

ポジティブシンキングの前にすべてを受け入れる

棚橋弘至棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」を読みました。前向きで明るい性格な上にキッチリ批判もするので、読んでて清々しい気持ちになれる名著でした!

冒頭の1文も名言ですし、それ以上にシビれたのはハッスル時代の小川直也に対する批判。

「ハッスル」にはリスペクトがなかった
プロレスの受け身は柔道とは全く違う技術が求められる。小川直也さんの試合には「相手を輝かせる」という要素はなかった。オレのほうがすごい、オレのほうが強い―それだけだ。

そんな小川と棚橋は、2004年に新日本のリングで対戦します。リスペクト精神のない小川をリングに上げてしまったことに悔しさを滲ませ、「新日本のリングの上でハッスルポーズをさせなかったのが精一杯の抵抗だった」と書いてますからね。泣ける。

それだけ当時の新日本が停滞していたんでしょうし、僕なんか棚橋に感情移入しすぎて「小川テメーふざけんなよ!」って気持ちになりました(笑)



もう1つ秀逸だったのは、昔ながらの黒パンツを履いて大活躍の柴田勝頼に対する評価です。要約すると、

柴田勝頼のプロレスが評価されたのは、棚橋やオカダの(派手できらびやかな)プロレスが軸にあるから。だから「ちょっと昔の新日本」のような試合がウケる土壌があるのだ。

しかし柴田のガチだけを追求する試合には「ネクスト」がない。お客さんは際限なく激しさを求め、選手も危険技を連発する結果、凄惨な試合がリング上で繰り広げられる。

僕はその先の、「この闘いはいったい、どうなっていくんだろう?」とお客さんの興味をかきたてるところがプロレスの本質だと思っている。柴田のバチバチプロレスに「その先」はあるのだろうか。


そんで実際に柴田は2017年4月に硬膜下血腫で手術を受けてますからねぇ・・・
それを2014年の段階で予見していた棚橋はスゴいと思いましたし、プロレスとは何なのかについて本書で学ぶことができました。



っていう話を妻に熱く語ったら「声が大きい!うるさい!」って言われたので、「トランキーロ!焦んなよ!」と言い返してやりましたw