ネルケ無方「なぜ日本人はご先祖様に祈るのか」
曹洞宗の住職かつドイツ人であるネルケ無方さんが、日本とヨーロッパの宗教観の違いを教えてくれる本。
- 死の「穢れ」の意味は「気枯れ」といわれている。
- 日本人は頑張り過ぎ。「終活」という、死ぬことまで頑張っている。
なるほどの連続!
自然なのは「枯れるような」死に方
自殺や安楽死を選ぶくらいなら、断食でゆっくりと死と向き合っても私はいいと思う。
完全な絶食までいかなくても、少しずつ食事を減らすのもいい。途中でやっぱりやめますと言ってまた食べてもいい。
断食という自殺方法は勉強になりました。
現代は死を悼む暇もない
忌引き休暇で1週間くらいは休むだろうが、翌週からもう会社に戻らないといけない。
死はもっと自然で、元気がなくなるのも自然ではないのか。
現代の日本人は、「死」にまでスピードで対処しないで、もう少し死を悼む余裕を持つべきではないだろうか。
熟成社会とは
あと一歩でナンバー1というところまで行けたけれど、経済成長がすべてではなかったということに気づいた。それが日本人のいいところ。
過去を振り返って「何だったのだろう」と考える余裕があるのは幸せなこと。
多くの国はそんな余裕がない。日本のような熟成社会でないから。
なぜ日本人はご先祖様に祈るのか ドイツ人禅僧が見たフシギな死生観 (幻冬舎新書)
- 作者: ネルケ無方
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/05/28
- メディア: 新書
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