島田裕巳・中田考「世界はこのままイスラーム化するのか」
欧米諸国がどれだけイスラーム世界をぶっ壊しているか。
「イスラーム=怖い宗教」のイメージだけが流布されている日本。
こうした現実に気づかせてくれる本でした。
イスラームに進歩はない?
西洋的な進歩史観は、近代に生まれた新しい考え方。
仏教の末法思想のように、世の中はどんどん悪くなるという考え方が昔の主流。
同じ生活を繰り返すイスラームには、そもそも進歩という概念がありません。
重要なのは、預言者ムハンマドとの空間的・時間的な距離。
時代を経るに従って進歩ではなく退歩していくのです。
その退歩の果てにあるのが、最後の審判なんだとか。
世の中は良い方向に進んでいくのが、当たり前で正しい考え方だと思っていました。
しかしそれは歴史的に新しい考え方なんですね。
退歩主義・末法思想が昔の主流だったことを知れて勉強になりました。
そして欧米諸国がイスラームに進歩主義を持ち込んで、イスラームの理念を破壊しているなと思いました。
進歩主義と聞くとポジティブなイメージを持ってしまいますが、それすらも仕組まれた戦略だと勘ぐってしまいます。
怖い怖い。