小林直樹「だから数字にダマされる 若者の○○離れ、昔はよかったの9割はウソ」
若者が海外旅行に行かなくなったのは本当?
1996年に20代だったのは1967〜1976年生まれで、1900万人を超えます。
一方、2015年の20代は1986〜1995年生まれで、なんと1274万人。
20代人口が少ないのだから、当然20代の出国者も少なくなります。
実数ではなく割合で見る(20代人口に占める20代の出国者数)と、
2015年…20%
1996年…24%
1980年代後半のバブル期は15%前後。
1986年以前は1ケタ%。
「俺たちが若いころは」という世代ほど、口先だけで実際には海外に行ってなかったことになります。
「若者の○○が減っている」と聞いたら、まず単純に人口減の影響がないかを確認しないといけません。
20代の出国者数は、90年代半ばをピークに減少に転じている。
それに伴い日本からの出国者に占める20代の割合も大きく下がっている。
そこで海外旅行離れが言われるようになったが、少子化が進む20代の出国者数が、第2次ベビーブーマー世代が20代だった90年代半ばの出国者数よりも減るのは当然のこと。
そこを考慮せずに実数だけを見て「内向き志向」などとレッテル張りする例がいかに多いか。
「若者の○○離れ」と言われているものの多くが、実は離れていなかったり、離れはしたが中高年も同様に離れていたりする。
ということに気づくことができる本です。
他にも選挙の投票率を見ても、20代は 昔も今も低いんですが、30代40代のはどんどん落ちてきています。
むしろそっちの方が問題ではないでしょうか。
詳しくは本書を読んでみてください。
- 作者: 小林直樹,日経デジタルマーケティング
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: 単行本
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