ひかるの読書

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西川潔「屋外広告の知識 デザイン編」

覚えられる情報量

知らない土地で道を聞いた時に、親切に長々と教えてもらっても覚え切れなかった経験はないだろうか。

人が短時間で覚えることができる量には限界がある。

道を聞いて簡単に覚えられる量は「3項目」までである。

「この先に橋がありますからそれを渡って、右手の工場の先の信号がある交差点を左に曲がって、川を超えて、30m位行ったところに交番がありますので、そこを右に曲がって50m位先の右手です」と言われて、すぐに覚えられるだろうか。

覚えられる情報量を超えると、全部わからなくなってしまう。

「工場の先を左、交番を右、50m先」と、この程度が限界である。

屋外広告物は、簡潔に要点のみを表現しなければならない。

あれこれと伝えたいことがあっても、我慢してシンプルにすることが肝要である。

(中略)

屋外広告物の文字数は15文字以内にすることが原則である。

瞬間的な判読

瞬間的にわかる情報量と判読時間を調べるためには、瞬間刺激提示装置を使う。

瞬間的に刺激(文字や絵など)を提示し、判読できるかどうかを測定する。

このような装置は専門的な大学や研究所にしかないが、簡便な方法としては、プロジェクターの光源の前を黒い紙で塞ぎ、パッと開いてすぐに閉じる方法で確認することができる。

正確な提示時間はわからないが、これをやってみるだけで、設計した屋外広告物がすぐに判読できるかどうかを確認することができ、情報量と色彩の効果やレイアウトの良し悪しもわかる。

また、競合相手との比較や、屋外広告物が多い環境の中でも目をひくかどうかもわかる。

屋外広告の知識 デザイン編 第四次改訂版

屋外広告の知識 デザイン編 第四次改訂版