須田剛一✕マスク・ド・UH「洋ゲー通信AirPort51」
ファミ通で連載していた洋ゲー(海外のテレビゲーム)に関するコラムをまとめた本。
会話のノリが楽しいですし、洋ゲーの分析も興味深いものが多くて参考になります。
日本のゲームと洋ゲーの違いは、突き詰めると日本とアメリカの文化の違いに行き当たります。
アメリカでゲーセンが流行らなかった理由は、日本と違って国が広いからです。
国が広い→近所に友達の家がない→町のコミュニティとしてのゲーセンではなく、家の中で友達と遊べるテレビゲームやインターネットが急速に普及したのです。
また車を題材にしたテーマの中で、二人はこう言っております。
須田 和ゲーには、まずスタート地点があって、その対極にゴール地点があるんですよ。一方の洋ゲーは、スタートとゴールの位置があいまいですよね。それはゲームデザインに、日常と同じリアリティーを求めているからだと思うんですよ。
UH クルマが走るのは当たり前なんだから、それ以外の部分に情熱を注いでいると(笑)。それはクルマそのものに対する感情や感覚の違いだと思います。
須田 日本はクルマを異常にキレイにしますよね。独特の土禁文化とか(笑)。
UH あとひとつ、大きな違いがあります。
須田 え? 何でしょう?
UH アメリカには車検がないんです。
須田 ええ!? それはえらい違いですね! 確かに西海岸でのハイウェイでは、崩壊状態寸前のクルマが平気で走ってますもんね。
UH スピード違反はいけませんが、整備不良や改造に関してはノー問題なんです。交通法規は州ごとに違いがありますが、西海岸はかなり自由。車検がないからこそ、ローライダー文化が発展したんですよ。
須田 そこからクルマのゲームに対するスタンスが変わるんですね。レースにしてもアメリカは、ドラッグレースやモンスタートラックレースなど、日本では考えられないタイプの競争が熱いですよね。
海外のゲームだけでなく、アメリカの文化を知ることができる本です。
アメリカに興味がある方はぜひ読んでみてください。
- 作者: 須田剛一,マスク・ド・UH
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/09/20
- メディア: 単行本
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