神樹兵輔・21世紀ビジョンの会「 知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ 」
立ち食いそば店の「そば」は実は「うどん」だった?
立ち食いそば店の「そば」はそば粉ではなく、小麦粉100%のケースが少なくありません。
そもそも国産のそば粉の原価は非常に高く、100gで120〜180円。
中国産のそば粉でも60〜80円なので、原価を考えたら中国産「そば粉」を使うのもむずかしいです。
しかし、小麦粉100%のそばなら20円程度の原価で済むのです(当然安い輸入もの)。
そば粉4割の比率で中国産のそば粉と輸入の小麦粉を混ぜれば、そば粉の原価24円、小麦粉の原価12円の計36円で、小麦粉100%のそばの2倍近い原価になってしまいます。
36円の麺に原価20円のつゆ、原価3円のネギを加えると59円です。
かけそばの原価率を25%以下に保つには、最低でも236円の価格表示が必要です。
トッピングのかき揚げ(原価35〜40円)を加えたかき揚げそばの原価が94〜99円だと、380円の価格にすれば原価率は24.7〜26%ですが、駅構内の一等地にある店舗はテナント料も高く、ここまで原価率が高いと不利になります。
しかし、小麦粉100%を使ったそばなら、かき揚げそばでも原価が43円なので、原価率は20.5〜21.8%です。
立ち食いなのに、そば粉4割表示のチェーン店は、意外に良心的といえます。
原価を知れば誠実度が見えてくる!
日本は1990年代後半からずっとデフレです。
デフレの本質は、何かを犠牲にして安くなったことです。
- 原材料
- 品質
- 人件費
などなど。
商品やサービスの本質的価値の把握は、内容を検証して原価という実態をつかんでこそ、はじめて可能となります。
- 何がオトクで何がそうでない商品なのか
- どの商売が儲かり、どの商売が厳しいのか
- どんな仕掛けやカラクリで儲けが出るのか
- どうしてこんな商売が成り立っているのか
- コアな客を虜にする仕組みは何なのか
本書はこのような視点から、63のモノとサービスの原価の秘密を解き明かしてくれます。
- 作者: 神樹兵輔・21世紀ビジョンの会
- 出版社/メーカー: 高橋書店
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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