ひかるの読書

ビジネス書を中心に気に入った言葉をご紹介!

高橋昌一郎「反オカルト論」

40冊目到達。えらいえらい(*^^*)
50冊目指して頑張ろう♪

19世紀アメリカの少女の単なるイタズラから始まったとされるスピリチュアリズム

これほどまで科学の発達した21世紀の現代でもなお、「オカルト」は生き続けている。

日常的には血液型占いや六曜のような迷信、祈祷治療や霊感商法、さらに「死後の世界」を煽る医師やSTAP研究不正の社会問題まで、様々に姿を変えて存在する。

その「罠」に、庶民のみならず大学生やエリート、学問に携わる専門家さえも陥るのはなぜか?

現代社会にはびこる「欺瞞」に囚われないための科学的思考法を、分かりやすい対話形式で身につける。

スピリチュアリズムの起源はイタズラ!

そもそもの発端は1847年のアメリカ。
足の指の関節を鳴らして音を立てる特技を持つ、フォックス姉妹がいました。

彼女らは、「イエスなら1回、ノーなら2回音を立てて」という感じで死者の霊と交信するというイタズラをしていました。

そこからビジネスを企てたのが、すでに結婚して家を出ていた長女。
そのビジネスに利用されて、フォックス姉妹は後戻りができなくなってしまいました。

40年後の1888に姉妹の片方が、今まで騙しててゴメンナサイと告白して謝罪しました。

本人がウソだと言ってるのに、彼女らの交信は本物だったと言い張る人がいたそうです。恐ろしい・・・


宝くじは詐欺か

財団法人日本宝くじ協会によれば、宝くじは約47%が当選金として払い戻され、約40%が収益金として地方自治体に支払われ、約12%が印刷経費、売却手数料、宣伝費などに使用されている。

ジャンボ宝くじ一枚を例に挙げると、価格300円のうち、当選金として購入者に払い戻されるのは約140円で、残りの約160円は自動的に地方自治体への寄付および経費として差し引かれるわけである。

競馬、競輪、競艇オートレースなど、いわゆる公営ギャンブルが約75%を的中者に払い戻しているのに比べても、宝くじは圧倒的に地方自治体が儲かる仕組みになっていることがわかる。

さて、ジャンボ宝くじの場合、番号が100000番から199999番の10万枚を一組として、001組から100組までの1000万枚を1ユニットとして販売している。

(中略)

つまり、大多数の宝くじ購入者が「夢を買う」という意味での1000万円以上の高額当選金は、1000万枚中に13本しかないわけだから、1枚買って高額当選金が当たる確率は0.00013%にすぎない。

仮に3万円で100枚購入したとしても、0.013%にすぎない確率である。

逆にいえば、100枚購入したとしても、99.987%は高額当選金が当たらない。

これは、「ほとんど不可能」な数値と言ってもよい。


こんなクソみたいな確率でしか当たらない宝くじ。
だからといってこれを詐欺だと断定することはできません。

なぜなら、100%当たらないとは言い切れないからです。 

「宝くじは、当たるか当たらないかのどちらかである」という言葉は正しいです。

注意したいのはその確率が50対50じゃないことです。

この言葉はイエスかノーかの二分法を連想させるので、当たる確率が50%だと錯覚してしまいます。

しかしその確率は限りなく0に近いというのは、冷静に分析すればわかりますよね。



まあ宝くじを買うか買わないかは、アナタ次第です!

しかし僕から言わせると、その300円でお花を買って、大切な人にプレゼントをする。

その方が、宝くじで1000万円が当たるよりも素敵な人生になると思いますよ。



反オカルト論 (光文社新書)

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