坂口孝則「牛丼一杯の儲けは9円」
グループ化による仕入れコストの低減
牛丼350円の内訳
(詳細は本書を読んで下さい)
材料費 175.40円
人件費 129.60円
光熱費 35.48円(家賃含む)
利益 9.52円
牛丼一杯の利益は約9.5円
材料費を10.4円下げれば、利益率は2.72%から5.69%へと倍増します。
ではどうやって仕入れコストを下げるのでしょうか。
牛をまるごと仕入れ、高級部位はグループのレストランへ、サイドメニューで牛の別の部位を使い、不要な箇所は他の系列企業に流す。
つまり企業合併の意味は、事業リスクの分散と仕入れコストをの削減という意味があるのです。
廃品回収業者がつぶれない理由
「なんでも買い取りますので、お声をかけてください」という業者の声。
その人を呼び止めて中古のパソコンを見てもらうと、業者は次のように言いました。
「こりゃ、結構古くて買えないよ。どうです? このまま廃棄しておきましょうか?」
と言われ、その人は廃棄費5000円を何の疑問もなく支払ったそうです。
けどこれはおかしい。
買い取りをお願いしてるのに、いつの間にか金を払っているのです。
ここには、仕入れとは金を払うものではなく、金をもらうものだ、という発想の逆転があります。
おそらく、そうやって仕入れたものは、闇ルートに流れていったのでしょう。
闇ルートって何だよwww
てかスゴいっすね。金を貰った上で仕入れをするっていう発想がスゴい。
もちろんこれは詐欺行為なので、坂口さんは推奨するためではなく注意を促すために紹介しています。ご注意を。
「ついでに」買わせることの有効性
それは、販売コストが削減できるからです。
モノを売るには人件費が発生します。
同じ手間であれば、100円のモノよりも200円を売った方が利益率は上がります。
「販売実績100万個突破!」の煽りがあったとき、「100万人に1つずつ販売した」のと「1万人に100個ずつ販売した」のでは、販売コストが違ってきます。
当然、後者のほうがまとめて買ってくれているので、販売コストは安く済みます。
スーパーでも、ビールを1本買うよりもダースで買うほうが安く買えるのは、こういう背景があるのです。
マーケティングの常識として、「新規顧客をつかまえるのは、既存顧客から彩度買ってもらうよりも、倍以上のコストがかかる」といわれています。
これまで自分たちのことに気づかなかった潜在顧客に対して宣伝を繰り返し、店まで足を運んでもらうには相当の費用がかかるものなのです。
販売コストだけではなく、宣伝・営業・マーケティングのコストまでを考慮すれば、売り手にとっての「ついでに」の重要性がよりわかってもらえるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、
- 売り手は初回にはうんと低い金額で売ることで、買い手を安心させようとする
- 買い手を安心させたあとに、他のものをたくさん売って儲けようとする
つまり逆にいえば、こういうことに気づかないことが「落とし穴」であるとおわかりでしょう。
(中略)
ちなみに、今日どこかのレジで手に取った商品は、本当に必要なものでしたか?
牛丼一杯の儲けは9円―「利益」と「仕入れ」の仁義なき経済学 (幻冬舎新書)
- 作者: 坂口孝則
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/01
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