ひかるの読書

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熊本県庁 チームくまモン「くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ」

熊本県ではなく、くまモン自身をPR

熊本県庁 チームくまモンくまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ」を読みました。

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)

無名の存在くまモンがいかにして有名になったのか。
その仕掛けの数々を紹介した本です。

くまモンは最初、熊本県ではなく大阪府でPR活動をしていました。
当然ゼロからのスタートです。

くまモンは、熊本県をアピールするということをしなかったのです。
その代わりにPRしたのが、くまモン自身の魅力。

熊本県という商品を売る前に、それを売る人の人柄を売る。
営業の鏡ですね(笑)

そして吉本新喜劇で芸人さんと交流したり、デパートやイベントで他のゆるキャラと仲良くなったりすることで、くまモン自身の魅力をアピールしていったのです。


名前を覚えて もらえないので、名刺を作りました。

正式にくまモンがPR大使として熊本県から任命されたとき、最初に与えられた仕事は名刺を10,000枚配るというものでした。

しかも与えられた期間は半年。

なぜゆるキャラに名刺なのかという話ですが、大都市大阪でPR活動をするために、まずは名前を知ってもらう必要がある。

チームくまモンはそう考えました。

彼らは小山薫堂さんの『考えないヒント-アイデアはこうして生まれる』(幻冬舎新書)という本を参考にし、名刺というツールに着目したのです。

小山薫堂さんは、かつて日光金谷ホテルの再生を依頼され、まず従業員に

「『ホテルの中でのあなたの一番好きな部分、場所はどこですか』ということを社員全員に考えてもらい」
「その中から絵になるところを写真にバシバシ撮って」名刺にし、
次に「ホテルの中にポスターを貼り」、

「スタッフは一人ひとり違う写真のついた名刺を持っています。全部で三十種類。その三十種類を集めると、金谷ホテルの小さな写真集ができあがりますから、どうぞ、スタッフに声をかけて名刺をどんどんもらってください」と、宿泊に来られたお客様に呼びかけることを始めます。

名刺がコミュニケーションを盛んにする大事なツールであると位置づけ、さらに一工夫することで、ホテルの従業員のモチベーションも上げてしまうという小山薫堂マジックです。

これをヒントに、くまモンにも普通の名刺ではなく、話題になりそうな面白い名刺を持たせることにしました。

名刺の裏にくまモンのイラストとコピーを入れたのです。

くまモンは黒とほっぺたの赤の二色で構成されていて、あまり色気がないので、背景に黄、緑、紫、エンジ、青、ピンク、草、紺の八種類の色を用意しました。

さらにそれぞれの色に四種類、計三二種類のコピーを、一緒に仕事をすることになった広告代理店のコピーライターさんに考えていただきました。


僕がこの本でいいなと思ったのはここです。

名刺というありふれたツール。
なんとなく配ってハイ終わりみたいに扱われている名刺。

そこにアイデアを加えることで、魅力的なツールに変身できるんだと気づかせてもらいました。

色を変える
文章を変える

言われてみれば「なんだそれだけか」なんですが、言われるまでは気づかない。

僕にとってこの本は、いっぱい企画を考えようという気持ちにさせてくれる1冊でした。

くまモン地域活性化に興味のある方、企画のヒントを探している方はぜひ読んでみてください(*^^*)

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)